デコレータークラブ、兵庫に現る。

アーティスト、飯川雄大のライフワークでもある「デコレータークラブ」が、彼の出身地で活動の拠点でもある地元、兵庫県立美術館で新たに開催される。

昨年6月にも本サイトで紹介したアーティストの飯川雄大。人の認識の不確かさや社会で見過ごされがちな存在に注目する彼が、2007年から継続的に続けるシリーズ「デコレーターズクラブ」の最新作が、兵庫県立美術館で開催される。

今回のサブタイトルに入っている「メイクスペース、ユーズスペース」とは、幼い頃に通っていたサッカースクールで、パスを出す先がなく戸惑っているときにコーチが発していた言葉。プレーを止める前に、まず自分がフリーに動く場所を作り、そこを使えという意味。飯川はこの言葉をアーティストの態度にも共通すると捉えた。

飯川雄大 《デコレータークラブ 配置・調整・周遊》2018年  木材、塗料 サイズ可変
あまらぶアートラボA-Labの展示風景(2018)撮影:麥生田兵吾
飯川雄大《デコレータークラブ 配置・調整・周遊》2018年 木材、塗料 サイズ可変
あまらぶアートラボA-Labの展示風景(2018) 撮影:麥生田兵吾

「アーティストってたくさんいるし、すでに面白い作品や表現はたくさんある。だから作品を発表する機会があってもなくても、自分で場所やタイミングを作って、いつでもどこでも観客に“仕掛ける”ことができたらいい」

毎回このシリーズでは、会場の構造や動線と作品の構成が独自にリンクするサイトスペシフィックな手法が用いられているが、今回の会場となる安藤忠雄設計の兵庫県立美術館は多数のデッキや階段室が重なり合い、屋内と屋外が複層的に入り組んだ形としている特徴的な建築だ。本展で飯川がどのように会場と作品を連携させていくのかも楽しみたい。

飯川雄大 《デコレータークラブ —衝動とその周辺にあるもの》2016年
240枚の写真、木製の箱40点 450×350cm
塩屋東市民公園の展示風景(2016) 撮影:麥生田兵吾

飯川雄大 デコレータークラブ メイクスペース、ユーズスペース

会期:2022226() 327()
休館日:月曜日(ただし、321(月・祝)は開館、22()は休館)
開館時間:10時~18時(入場は1730分まで)
会場:ギャラリー棟1階 アトリエ1、館内各所
観覧料:無料

https://www.artm.pref.hyogo.jp

ゲストトーク

36日(日)

「じっくりゆっくり感じること」石津智大(関西大学文学部心理学科准教授)


3
12日(土)

「ガビンさんに分析されたい!」伊藤ガビン(編集者、京都精華大学メディア表現学部教授)


3
26日(土)

0人もしくは1人以上の観客に向けて」服部浩之(キュレーター)

各回ともに、14時~1530

会場:ミュージアムホール

入場無料、定員120名、当日先着順

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