木工の意識が変わる、次世代デジファブ。

10月9日から、新しい展覧会「EMARFでつくる新しい生業─自分を解放するものづくり」がBaBaBaでスタートする。そもそも「EMARF」とは何なのか? 企画チームであるVUILDのアトリエを訪ねた。

 自分がいる環境をぐるり見まわすと、建築、家具、日用品にいたるまで、木でできたものが想像以上に多いことに改めて気づく。しかし、多くの人はその製品が、どのような過程を経てできたものか知らないのではないだろうか。

「日本には、古くから大工や指物など、精度の高い木工文化が伝わっていることも影響してか、木工は難しくて、ハードルが高いという意識が強い。そのため、デザイナーや建築家でも製造のことは現場任せで、方法論を知る人はあまりいません。こうした状況のなかで、僕たちは、デジタルテクノロジーの力をもって、こうした“ものづくりの壁”をどんどん壊していけないかと考えているのです」

そう語るのは本展を担当であるVUILD・EMARFチームのデザイナー、戸倉一(はじめ)さん。2017年に創業したVUILDは、デジタルツールを用いたデザイン・設計と、製造の現場をシームレスにつなぐプロジェクトを軸に活動を続けている建築スタートアップだ。

「製材工場や家具製造の現場では、『CNCミリングマシン』と呼ばれるコンピュータ制御で工作を行う機械が使われていますが、とても高額で、操作も煩雑なため、その利用・操作は一部の専門家に限られています。僕たちは、廉価な『ShopBot』というアメリカ製のCNCと一般的なデザインアプリケーションを連動させることで、『ネット印刷』のような感覚で、デザインに携わる誰しもが簡単に木のものづくりと触れ合えるようにしたいと考えているのです」

このオンラインで簡単にオーダーできる木のものづくりのクラウドサービスこそが「EMARF」だ。操作は明解で、ネット印刷や3Dプリンターなどのアプローチにも似ている。

「高度な工芸」or「単純なDIY」。二極に分断していた木工の世界にEMARFのようなサービスが登場することで、さまざまなタイプのクリエイターが参加し、これまで想像できなかったようなクリエイティブの可能性がどんどん生まれていくだろう。展覧会タイトルにある「新しい生業(なりわい)」とは、プロ/アマを問わず、発想さえあれば方法論を知らずとも形づくることができるという、新しいデザインアプローチのメタファーでもある。まずは、「この形を木でつくってみたいな」というアイデアを持って、展覧会場を気軽に訪れてみてほしい。

  • Text: Hisashi Ikai
  • Photo: Hayato Kurobe

VUILD

秋吉浩気が2017年に創業。デジタルファブリケーション&エンジニアリング、ソーシャルデザインを掛け合わせることで、分化している木工、木造建築、設計、製材などの垣根を取り払い、より広いものづくりの可能性を模索している。SHOPBOTの国内販売とEMARFの企画・運営も行う。

https://vuild.co.jp

EMARF でつくる新しい生業 - 自分を解放するものづくり

高田馬場にあるケーススタディスタジオ BaBaBa では、10 月 9 日(土)~ 10 月 23 日(土)の期間、木製ものづくりのクラウドサービス EMARF(エマーフ)のエキシビション「EMARF でつくる新しい生業 – 自分を解放するものづくり」を開催します。
EMARF は、職人にしかできなかった家具や建築のデザイン・部品加工などを、すべての設計者・デザイナー・DIY ユーザーに解放。既成部品の組み合わせではなく、ニーズや好みに合わせた思い通りのデザインを、1点からでも、大量にでも、ボタン 1 つで素早く、安く、カタチにしていく画期的なサービスです。
VUILD 株式会社が開発したデジタルファブリケーションを用いたクラウドプレカットサービス「EMARF」は、木製ものづくりのデザインから、パーツ加工までの工程を、全てオンラインで完結できます。CAD データを準備し、WEB でオンライン入稿すると、まるでプリントアウトするようにデジタル加工機で出力。後は組み立てるだけの状態でお手元にお届けします。

本展覧会は、『EMARF でつくる新しい生業 - 自分を解放するものづくり -』と題して、これまで EMARF を活用した様々なシーンを集め、デジタル時代の新しい生業の動向に迫ります。
ここで起きていることは、与えられた仕事をこなす製作ではなく、自身の内から湧き出る内発的動機に基づく能動的な製作です。仕事・趣味の枠組みにとらわれない、より生活に近い生業稼業が行われ始めています。「いきる」と「つくる」を繋げるために、すべての人々を「作り手」にしたい。
私たち VUILD の思いが、いま様々なシーンで芽吹きはじめています。
本展示が、「自分のつくりたいを解放する」きっかけになれば幸いです。

– VUILD 株式会社

2021 年現在までの間に、家具やプロダクト製作シーンは勿論、アート製作、建築内装など幅広いシーンで利用され始めています。本展では、これまで EMARF を使って家具 / プロダクト / 空間など、様々なシーンで活用された方の実作品やパネルを通じて、デジタル時代のメイカーたちの動向に迫ります。
会期中 VUILD が所有する小型の CNC 加工機 (ShopBot) を BaBaBa に持ち込み、実際の制作風景がご覧いただけるラボが出現。また、その場で来場者の方がデザインを作れる制作体験スペースも準備しております。ぜひこの機会にEMARFのものづくりをBaBaBaでご体験ください。





– SHOWCASE



「EMARF でつくる新しい生業 - 自分を解放するものづくり」

会期=2021 年 10 月 9 日(土)~ 10 月 23 日(土)
会場=BaBaBa 東京都新宿区下落合 2-5-15-1F
電話=03-6363-6803
時間=12:00-19:00 (* 土日祝 11:00-18:00)
定休日=月曜日
入場=無料
共催=VUILD 株式会社 / BaBaBa

https://bababa.jp

Back to Top