Rebuilding

2022.03.04-03.13
古くから染めの伝統工芸が伝われる新宿区の神田川・妙正寺川沿い。同じエリアにある東京富士大学では、卓越した技術により洗練された美をいまに伝える「染」の伝統工芸の継承と、新たな発展への貢献を目指し、「Shinjuku Re “和” style project」を主宰している。

伝統的な染織工芸の現代的な価値を再考し、そこから未来につながる新たな「和」の在り方を探求するため、染の里おちあい二葉苑、富田染工芸という2つの工房の協力のもと、本展を開催した。

工房を見学し、リサーチを行なったアーティスト5名の多様な視点から染めの新たな魅力や特徴を再発見しながら、創作を展開。

不可視の存在である信号や音、時間を加工することで空間のなかで立体的なものとして存在させ、身体感覚に呼びかける彫刻を考察している木藤遼太、数学的な単位や法則、幾何学に注目し、その普遍的な法則をテーマに制作する後藤宙(かなた)、美術作品の保存・修復に従事した経験から、ものと人間存在が描く生の軌道をテーマに作品制作する髙橋銑。多田恋一朗は、喜怒哀楽の表情のない人の顔や、変形されたキャンバス(ゾンビキャンバス)などによって、「人格」が不明瞭になっている現代の人の表情の裏に隠された、人の本質を追求しており、そして村岡佑樹は、歴史や生活の営みなど、ある事象を取り巻く状況やそれが成り立つ原因を分解し、再構築・作品化することで社会の普遍性とのつながりを考察している。

展覧会は前期と後期に分かれ、前期は地域イベント、染の小道と連動しながら、染の里おちあい二葉苑内の和室空間で展示。後期を「BaBaBa」にて前期とは違う展開の作品を展示した。

協力:富田染工芸、染の里おちあい二葉苑

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