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備前のうつわ「NEU」。

岡山県備前の窯元から新しいうつわ「NEU(ヌー)」が誕生した。日本六古窯の一つである備前焼は、その素朴な佇まいから多くの茶人、趣味人にも愛され、日本を代表する工芸美の極みとしての歴史を重ねてきた土地だ。NEUは、備前が受け継いできた魅力を、新しい視点から見つめ直したうつわだ。

NEUが目指したのは、人の作法にひっそりと寄り添うかたち。使うシーン、暮らしのスタイル、年代といった別に左右されない、限りなくニュートラルな存在を目指している。さらに注力したのが、色の開発だ。刻々と移り行く空を眺めながら、朝日がのぼる直前や夜のとばりが降りる瞬間の、薄い青に微妙な赤や白、緑といった色が混じり合うなんとも言い表せない色を再現している。

技術的にも、備前焼の伝統をさらに前に進めようと、伝統的な田土(ひよせ)と山土に、同じく備前で採取される三石ろう石を混合。柔らかく、通気性に優れた田土の特徴を活かしつつ、ろう石との調合によりうつわの堅牢性をさらに高めているという。また、備前焼には珍しい釉薬を使いつつ、釉がけを器の半分に抑えることで従来の土の手触りの良さを残した。

プレートやカップに加え、小ぶりなポットも同様に開発。生活のなかに自由に存在する備前の新しいかたちとして注目される。

https://neu-jp.net

  • Text: Hisashi Ikai
  • Photo: Masako Nakagawa
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