新道トモカ個展「Still/Layer」

日時:2025年8月23日(土)-8月31日(日) 11:00-19:00 (入場無料)
場所:BaBaBa
オープニングレセプション:8月23日(土)15:00〜start
※レセプションでは新道トモカによるパフォーマンスを予定しています。
※申込不要。どなたでもご参加いただけます。
企画:SATOSHI NAGAI

本展は、2022年「表裏一体」、2023年「Between」、2024年「neutral」と続いたシリーズを受け、作家の表現を再統合しつつ、“未完であること”そのものをテーマとした新作とインスタレーションを中心に構成されます。

新道はこれまで、ダンス、写真、言葉といった複数のメディアを横断しながら、「自己とは何か」「自分と他者のあいだにあるもの」を見つめ続けてきました。
自身の身体性や感情、無意識の領域を手がかりに、作品には常に“揺らぎ”や“曖昧さ”が滲んでいます。

2022年の「表裏一体」では、内と外、見せる顔と隠された感情という二面性を、反転された写真やドローイングによって視覚化。
2023年の「Between」では、無意識と意識、自己と他者といった二項の境界線を、グラデーションをもって静寂な風景と身体表現の中に描き出しました。
2024年の「neutral」では、カテゴライズされない存在として、曖昧なまま“立ち続けること”を選択し、写真とダンスの中間に漂う重心を提示しました。

そして本展「Still / Layer」では、これらの蓄積の上に、あえて「未完」や「言いかけ」「剥がれ残った層」といった不確かさを受け入れた表現が展開されます。

「完成させないこと」
「すぐに答えを出さないこと」
「言葉にならないまま残るもの」

これらは、今この時代において、ますます貴重になっている“人間らしさ”そのものなのかもしれません。

写真、言葉、身体、時間。
それぞれの層が静かに重なりながら、「いま・ここに在る」新道自身の姿が表現されていきます。

Slow Intelligence(スローな知性)、ネガティブ・ケイパビリティ(曖昧さにとどまる力)といった視点にも通底する、新道トモカによる“未完成の肖像”を、ぜひご体感ください。

ARTIST STATEMENT

私は、写真・言葉・身体という複数のレイヤーを通じて、“中間性”や“未完”といった曖昧な状態に光をあてています。カテゴライズされず、決めきれないまま揺れていること。見えているものと、見えない感情。そのあいだにある「わたし」を、そのまま作品にしています。

作品はいつも、誰かに届くことで初めて完成していくものだと思っています。誰かに向けてアクションを起こし、自分自身にも問いを投げ返す。その往復こそが、私にとっての“いまのアート”です。

2020年以降、身体・声・ドローイング・詩を重ねた表現に移行しながら、展示空間自体を多層的な体験として構成しています。私の中で未完であり続ける存在が、そのまま空間として立ち上がることを願って。

新道トモカ | ShindoTomoka

1992年、漫談家の父と主婦の母のもと東京都に生まれる。子役・ダンスを経て写真表現に出会い、日本大学芸術学部写真学科を卒業。ニューヨークのブロードウェイダンスセンターでの経験と挫折をきっかけに、自身ならではの表現スタイルを模索し始める。
2020年の妊娠を機に、アートとしての創作を本格化。写真とドローイングを融合させたコンテンポラリーアートを中心に、詩・声・身体を用い、視覚と感情の両面から問いかける多層的な作品を発表している。「Two sides of the same coin」(2022)、「Between」(2023)、「neutral」(2024)など、自己と他者、意識と無意識、カテゴライズされない“中間性”をテーマに探求を続けている。個展では音やダンスを取り入れたインスタレーションも展開。作品は常に他者にアクションし、自らにも問いかける。そのリアクションこそが、最新のアートであると考えている。
2023年より、子どもたちの発想力を育む「じぶんイロプロジェクト」も始動。

https://www.instagram.com/shindo_tomoka/

新道トモカ
  • 2025.8.23-8.31

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