コト/モノ /ヒトを染めに重ねる「金井工芸 分室」

2021.11.28-12.12
金井工芸は、奄美群島に伝わる大島紬の染めを長年担ってきた染め工房だ。伝統の技を守りながらも、国内外のクリエイター、デザイナーとチャレンジングな取り組みを行い、数々の新しい表現を見出している。

本展では、金井工芸のアトリエの分室として、BaBaBaに新たな発見の場をつくりだした。草木、水、菌、土など、ごく身近に存在する豊かな自然要素に、人の知恵と技を巧みに重ね合わせ生まれた、さまざまな制作物を展示。特徴的なグラーデションの色味が会場を埋め尽くした。

さらに、会期内は染めの多様なイベントを開催。金井工芸の金井志人に指導のもと、一般の人が参加した泥染めワークショプや、自分の服やリネンなどを好みの色に染めてもらうオーダー会。また、奄美の工房と東京の分室をつなぐオンラインライブも行った。

企画:金井志人/飯田将平/大脇千加子
出展協力:WONDER FULL LIFE/ミロコマチコ/LIGHT YEARS/TIMBER CREW/KITTANAI/ON AIR/ONE KILN
展示構成:ido

https://www.instagram.com/kanaikougei/

TENDO JAPANESE MODERN /80 PROJECT

2021.12.16
「2021年 天童木工とジャパニーズモダンを語る」
デザイナークロストーク 熊野亘×二俣公一×中村拓志

卓越した成形合板技術により、柳宗理の「バタフライスツール」をはじめ、実力派のデザイナー、建築家と協働しながら、数々の名作家具を生み出してきた山形の家具メーカー、天童木工。1940年の創業から80周年を迎えたことをきっかけに、これまでに培ったものづくりの技を振り返りつつ、現代の家具のかたちで表わすプロジェクト「TENDO JAPANESE MODERN /80 PROJECT」がスタートした。

プロジェクトの発表にあわせ、家具の開発に携わった熊野亘、二俣公一、中村拓志の3名のデザイナーがBaBaBaに集合。各自が担当したプロダクトのデザインの背景はもとより、天童木工がつくりあげてきたジャパニーズモダンの思想について、深みのあるトークが繰り広げられた。

https://www.youtube.com/watch?v=HQaIH6xAvDs

スピーカー:
熊野亘/design office kumano
二俣公一/二俣スタジオ、ケース・リアル
中村拓志/NAP建築設計事務

ファシリテーター:山田泰巨/編集者

EMARF でつくる新しい生業 – 自分を解放するものづくり

2021.10.09-10.23
従来ならば、専門の職人に依頼する家具や建築をつくるための木製パーツの製作を、誰しもがアクセスできるように開発されたクラウドサービス「EMARF/エマーフ」。

CADデータをウェブ入稿することで、デザインから加工までがすべてオンラインで完結。まるでネットプリントをオーダーするような感覚で、部材をオーダーし、組み立てるだけの状態で手元に届けるという新しいサービスを、企画展として発表した。

会期中は、BaBaBaに、小型のアメリカ製CNC(コンピュータ数値制御)旋盤「Snapbot」が持ち込まれ、実際に専用アプリを通じて、入稿から仕上げまでのプロセスをわかりやすく解説。また、EMARFのサービスで実際につくられた多様な事例も併せて紹介した。

さらには、いかに自由な造形が可能かを理解してもらうために、子どもたちに向けたワークショップも開催。白い紙に描いた子どもたちの想像力豊かなかたちを、実際にEMARFで木工の造形物に展開するという試みも行われた。

共催:VUILD/BaBaBa

https://vuild.co.jp

もるめたも展
─あそびとへんしんの研究所

2021.7.22−8.9
ミエナイモノと遊ぶをテーマにひらのりょうが手がけた絵本と、OLAibi(音楽)、コムアイ(ナレーション)が参加したアニメーションによる作品『もるめたも』。

プロジェクトの発表を記念してBaBaBaでは特別企画展を開催。会期中にはBaBaBaのスペースに『もるめたも』の世界観を自分の体で感じる体験型のインスターションを展開。

来場した子どもたちは巨大な水たまりやなまけものに体を預けて遊んだり、目に見えないほどゆっくりしたスピードで、わずかに成長する植物や土のなかの微生物を観察。『もるめたも』のテーマでもある「変身」を、さまざまなあそびを通じて子どもたちが自ら発見し、想像の種を膨らませていく楽しい仕掛けも多数用意した。

展覧会の主催は、豊かな想像力を育む「あそび」や「まなび」を開発し、アート、教育、医療、福祉がつながるプラットフォームを構築していくプロジェクト「Reframe Lab」が行なった。Reframe Labでは、さまざまなアーティストとの協働により、“ミエナイモノ”を感じ、体験し、その想像力を耕す「あそび」のプログラムを開発している。

主催:Reframe Lab

メンバー:会田大也(YCAM/ミュージアムエデュケーター)
新井陽子(公認心理師)

  • Text: Hisashi Ikai

Dear Takamizawa House

2021.4.23−6.13
第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館展示と連動するかたちで展覧会を開催。2つのフェーズに分かれた企画を展開した。さらに、ウェビナーという形で、2つのトークショーを開催した。


Phase 01.
Eyes of Jan Vranovský

VBA日本館展示チームに同行し、VBA2020日本館のモチーフとなった「高見澤邸」が解体されていく様子をカメラに収めていった写真家/建築家のヤン・ヴラノブセキの写真作品を展示。3代にわたり家族が暮らした都内の民家の日常、思い、時間を独自の表現で捉えた。


Phase 02.
Models_Work in Progress

コロナ禍より、ヴェネチアの展示会場の施工・監理を遠隔で行うことになったVBA建築チーム。施工担当のTANKが東京で仕上げていくモックアップを、オンラインでイタリアとつなぎ、現地担当者に指示する様子を、BaBaBaの会場で中継。さらに5名の担当建築家(長坂常、岩瀬諒子、木内俊克、砂山太一、元木大輔)によるモックアップの一部も展示。ヴェネチア会場と同期しながら、展示物が随時追加されていった。


BaBaBa TALK #1

「“オフィス”とは何か。働く現場の空間の限界と可能性について考える」


BaBaBa TALK #2

「記録、解体、伝達、再構築、生成……建築以後。これからの建築が示す先にあるもの」

協力:ヤン・ブラノフセキ

門脇耕三/VBA2020 日本館キュレーター

長坂常、岩瀬諒子、木内俊克、砂山太一、元木大輔/VBA2020 日本館建築チーム

国際交流基金

https://www.vba2020.jp

EMARF DESIGN FES #01

BaBaBaでは、木材をつかったものづくりをより素早く、自由に、安価に行うデジファブサービス「EMARF」に関する第2弾の展覧会、「EMARF DESIGN FES #01」を開催します。

本展覧会では、次世代の設計者の支援と育成を目指したオンラインプラットフォーム「EMARF CONNECT」第一期生の取り組みを展示。2022年7月から限定募集した100名の受講生と共に取り組んだ作品づくりのプロセスと結果を通じて、これから動き出そうとしているビジョンも紹介していきます。4つのコアデザインブースでEMARF CONNECTの魅力と可能性を読み解いていきます。その他、ワークショップやオンラインでのトークイベントも多数実施されます。

|会期|2022年9月23日(金) – 10月2日(日) ※休館日9月26日(月)

|会場|BaBaBa 東京都新宿区下落合 2-5-15-1F 

|時間|平日12-19時 土日祝11 – 18時

|EVENT|

ワークショップ

❶南信州タモ材でつくるフラワーベース
無垢材タモとテンプレートツールをつかってオリジナルフラワーベースがつくれます。
https://emarf-designfes-ws1.peatix.com

❷不揃いなタンコロでつくる木トレイ
木を山から切ってくる過程で捨てられてしまう根本の丸太「タンコロ」とテンプレートツールをつかって、オリジナル木トレイがつくれます。
https://emarf-designfes-ws2.peatix.com

❸手書きパタンでつくるスツール
手書きで書いた模様をGrasshopperをつかってデジタルパターンへと変換しオリジナルパターンスツールがつくれます(後日発送)。
tps://emarf-designfes-ws3.peatix.com

開催日時    9月23日、9月24日、9月25日、10月1日、10月2日

要予約制。EMARFホームページよりご予約くださいませ。

ガスーが、世界をめぐる。─ひらのりょう

昨年12月にBaBaBaでいち早く特別上映&展示されたアニメーション作家、ひらのりょうの最新作「ガスー』。独創的な世界観と高いクリエイティビティが評価されている。

ジャンルを超えて活躍するアニメーション作家、ひらのりょう。7年ぶりとなる新作『ガスー』は、タイを中心に東南アジア諸国に伝わるおばけ、ガスーが日本のヤクザと遭遇することからはじまる、独自のストーリーによるアクション&ホラー・ムービーだ。

BaBaBaでの特別展示には、ひらのりょうと親交の深い作家が多数参加。アニメーション作品の上映だけにとどまらず、ガスーをテーマにした絵画や立体作品、衣装のほか、ガスー特製アイシングクッキーも用意され、より広く、自由な感覚で作品の世界観を楽しむことができる展示となった。わずか1週間の展示期間にもかかわらず、アート関係者のみならず、子どもを含む一般客も大勢来場。メディアにも取り上げられた。

この展示をきっかけに2022年2月には恵比寿映像祭にて上映。さらにアヌシーアニメーション映画祭(フランス)を皮切りに、ファンタジア映画祭(カナダ)、アニミスト・タリン(エストニア)、コンコルト映像祭(イタリア)、インディ・アニフェスト(韓国)ほか、海外15ヶ所以上で連続的に上映が続き、ガスー旋風を巻き起こしている。

『ガスー/Krasue

監督:ひらのりょう

(日本/アニメーション/12分/2021年)

ひらのりょう

1988年埼玉県生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科卒業。文化人類学から、フォークロア、サブカルチャーなど、多領域に意識を向けながら、ポップでディープ&ビザールな作品を手がける。アニメーションに限らず、イラスト、マンガ、紙芝居、VJ、音楽など、表現形態は多岐にわたる。代表作に『河童の腕』『ホリディ』『Hietuki-Bushi』など。

http://ryohirano.com

企画展「ひらのりょう監督新作短編アニメーション『ガスー』SCREENING & SPECIAL EXPERIENCES」は、202112 2026日の期間で、BaBaBaにて開催。

〈展覧会参加アーティスト〉

ひらのりょう:短編アニメーション作家/漫画家

井上涼:アーティスト

大橋裕之:漫画家

OperturaIndependent Animators 

冠木佐和子:アニメーション作家、イラストレーター

菊地雄太:造形家

キサブロー:着物デザイナー

最後の手段:映像チーム

重田介:映像作家

スケラッコ:漫画家

たかくらかずき:アーティスト、アニメーション作家

Q:アニメーション作家

矢野恵司:イラストレーター

山田遼志:アニメーションアーティスト

若井麻奈美:アニメーション作家

あおやま あや:お菓子作家

主催:株式会社コーズサッチ/FOGHORN    プロデューサー 谷川千央

助成:ARTS for the future

3日かぎりの、サマーマーケット。
―BaBaBa Market

大好評だった今年2月のBaBaBa Market。さらに新たなメンバーを加え、盛りだくさんのコンテンツで、8月19、 20、21日の3日間、再びBaBaBaで開催します。

2回目を迎える「BaBaBa Market」は、BaBaBaが運営する高田馬場のリアルスペースとウェブマガジンをオルタナティブにつなぐイベントとして、ジャーナルに登場したさまざまなクリエイターの作品をマーケット形式で紹介していく。

開催は、8月19日~21日の3日間。新たなメンバーも加わり、全10組が参加し、夏真っ只中の週末のBaBaBaが、賑やかなマーケットとしてオープンする。

● 吉行良平
大阪を拠点の活躍するプロダクトデザイナー。実験的なアプローチから生まれたユニークな作品ほか、オリジナルブランド「Oy」の商品も。

● Nutel
エッチングで描いたような独特のラインは、すべてミシン刺繍によるもの。独創的な造形の額装や動物をモチーフにした立体作品も展示販売。

● 中川正子
何気ない日常風景に眠る美しい光の世界を、ファインダーを越しに掬い取る写真家、中川正子。今回はオリジナルプリントほか、ポストカードやTシャツなどを展示販売する。

● 星佐和子
フィンランドで活躍するテキスタイルデザイナー、星佐和子のオリジナル原画を展示。そのほかテキスタイルや雑貨も紹介する。

TILE KIOSK
日本有数のタイルの産地、多治見一帯で作られたユニークなフォルムのタイルを、一枚から販売。

● 鰤岡力也
大阪を拠点の活躍するプロダクトデザイナー。実験的なアプローチから生まれたユニークな作品ほか、オリジナルブラ木工作家、鰤岡力也がデザイン、製作したスツールやテーブルを展示。受注販売する。

● 鈴木元
物事の真髄を極めた、無垢なデザインを手がける鈴木元の作品から、錯視効果のあるフラワーベース「OBLIQUE」ほかを紹介。

● BAILER
岡山でアップサイクルなものづくりを目指す、BAILER(ベイラー)。代表的な円柱形バッグを各種取り揃える。

● fuufuufuu
テキスタイルデザイナーとしての経験を生かし、木村文香が手がける見た目にも美しいグラフィカルな押し寿司を販売。

● LAND(生花)
繊細で独創的な色合わせが話題のフラワーアーティスト、川村あこがアレンジした生花を販売。彼女セレクトのフラワーベースも揃う。

  • Text: Hisashi Ikai

BaBaBa Market Vol. 2

2022819日(金)21日(日)

1118

BaBaBa

東京都新宿区下落合2-5-15-1F

TEL. 03-6363-6803

PRINT MATTERS
MASAHIRO SAMBE & PAPIER LABO.

会期|2022年5月17日(火) – 5月31日(火)  
※5月23日(月)休み
※5月21日(土)、22日(日)は写真家・三部正博氏とパピエラボ・江藤公昭氏、在廊予定 
会場|BaBaBa 東京都新宿区下落合 2-5-15-1F 
時間|12時 – 19時 

BaBaBaでは写真家・三部正博氏と、「紙と紙にまつわること」をテーマに店、デザイン、印刷のディレクションなどを行うパピエラボによる展示『PRINT MATTERS 』 を開催いたします。

三部正博とパピエラボが数年に渡って共に取り組んでいるのが、三部が近年撮りためているランドスケープの写真を素材として、パピエラボが印刷物をデザイン、製作するプロジェクト。本展では、毎年ニューイヤーカードとして継続しているこの共作を発展させて、活版印刷、リソグラフ印刷、シルクスクリーン印刷による印刷物10点と、印刷物の素 材となった写真を含むクロモジェニックプリント10点を展示販売いたします。

日本国内で撮影されるランドスケープの連作を通して三部がとらえようとするのは、ありきたりな風景に潜む人間と自然の曖昧な境界の生々しさです。自然の中に垣間見る人為の跡や去った人間たちの残像。僅かな違和感を手掛かりに、両者の視点で連作をすべて見通し、像として写っているものと写っていないものの均衡を見極めながら、各印刷技術の特徴を踏まえて適した写真を厳選して、本展で発表する印刷物が製作されました。写真家としての立場から三部は、第三者であるパピエラボが自身の写真を印刷物に転換する過程で、単色での表現や紙の選択など、撮影者である自分が意図しない要素が加わることで、現像処理によって印画(PRINT)として可視化される写真とは異なるあり方が可能になることに興味があると言います。 両者がこのプロジェクトで目的とするのは、印刷のプロセス を経ることによって写真の見え方や在り様が変わる可能性、 また写真を素材にすることで印刷技術の潜在力を引き出せる可能性について、お互いの立場から考察することです。

写真が多くの場合に目的とする被写体の忠実な再現ではなく、 写真の諸要素を削ぎ落とし、被写体をあらわすのに不可欠な輪郭や色彩、質感、陰影のみを残してなお見える像を浮かび 上がらせる印刷物の面白みを追求しています。そうしたアプ ローチによって同時に、写真の中で像にはならずに漂っている気配を示すことができると考えています。内向的な欲求で 撮影された写真が「印刷」という手段によって解放され、紙という形態になることで展開が広がり得ることも、写真と印刷物の往来がもたらす産物だと期待します。

  • 写真: 三部正博
  • デザイン: 江藤公昭(PAPIER LABO.)

三部正博[Masahiro Sambe ]

写真家。1983 年、東京生まれ。泊昭雄氏に師事後、2006 年に独立。主に静物、 ポートレート、ファッションを被写体として、広告、雑誌、カタログなどの分野 で活動する。近年、ライフワークとしてランドスケープを撮り続けている。

http://3be.in/

パピエラボ[PAPIER LABO. ]

「紙と紙にまつわること」をテーマに 2007 年に開店。好みと縁を頼りに世界中 から集めるプロダクトやオリジナルプロダクトを取り扱う。印刷物やロゴなどの デザインや、活版印刷をはじめとした印刷、紙加工のディレクションも行う。

http://www.papierlabo.com/

オンラインとオフラインのあいだにあるもの。
BaBaBa Market

2月26日~27日に開催した「BaBaBa Market」。これまでウェブジャーナルで紹介したクリエイターの作品を一堂に集め、オンサイトで紹介するという試みで見えてきた「オン/オフの共存の可能性」とは。

 高田馬場にあるケーススタディスタジオと連動しながらも、一方で独立したメディアとしてBaBaBaウェブジャーナルでは独自に多様なタイプのクリエイターを取材してきた。春の気配を感じるうららかな週末に開催した「BaBaBa Market」には、これまでウェブジャーナルで紹介した7組の作品が集結した。

見慣れたモノのフォルムを抽象的に切り取りながら、木でさまざまなオブジェをつくる西本良太は、代表作であるアイスキャンディーやリンゴのほか、ダルマやクリスマスツリーを展示。ポップさのなかにオリジナル愛嬌を感じさせる有機的なフォルムの木製パーツを内部に埋め込んだ磁石で接続するオブジェと手掛ける嘉手納重広の作品は、その絶妙なバランスと自由な動きに人々の視線が集まる。

独特のタッチで幻想的な世界を描き出すフィンランド在住のテキスタイルデザイナーの星佐和子は、人気のモチーフをポストカードや手鏡といった身近なアイテムに写したプロダクトを展開。アーティストの飯川雄大は、人気のキャラクター「猫の小林さん」が描かれたバッジやステッカーが話題に。過去の展覧会用につくられた小作品は展示直後に売約済となる人気ぶりだった。

香りのアーティスト和泉侃は、パーソナルケアブランド「SOJYU」のほか、「wa/ter」のインセンスなどを紹介。さらにタイルの一大産地、岐阜県多治見で生産したタイルを一枚から販売するプロジェクト、TILE KIOSKには、著名デザイナーが手がけたタイルも並ぶ。タイルを単体で見ると発想も豊かになるようで、コースターやペン立ての代わりに使いたいと意見も聞こえた。

そして、クヌギの葉を折った作品「ORIHA」を展開するアーティスト、渡邊義紘。最近発刊したばかりの作品集とともに、ORIHAの作品20点を展示。作品が醸し出す豊かな表情と圧倒的な創作力に子供から大人までが釘付けになっていた。押し寿司のfuu fuu fuuと、生花のLANDも特別出展し、彩りを添えてくれた。

会場に2日間立って感じたこと。これまでジャーナルですべての作家に取材してきただけに、作品解説はお手のものと思っていたが、来場者が繰り出す率直な意見に驚いたり、戸惑ったりすることも。改めて疑問に感じ、作家にもう一度聞いてみなければなんてことも出てくる。

オンラインの情報は即効性があり、自由に出し入れしたり、入れ替えができて便利だが、対象者の反応が見えづらく、一方的な情報提示にもなりかねない。一方で、オフラインは、直接の交流で深い認識を生み出す一方、時間や場所の制約を受けるため、物事の順序やバランスを慎重に考える必要がある。

オンライン/オフライン両者のメリット、デメリットを把握した上で、互いの特性を生かしつつ、正しい温度感とタイミングで情報を作り、届ける。BaBaBaの活動はそんな可能性を秘めているのではないかと、改めて感じた2日間だった。

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