服部滋樹が代表を務める、大阪のクリエイティブユニット、graf。建築、インテリアを軸に、近年では、ブランディングや地域再生まで、実に幅広いプロジェクトに関わっている。そんなgrafが中之島にあるオフィスの2階部分を改装。宿泊も可能なギャラリースペース「graf porch(グラフポーチ)」としてさまざまなプログラムを行なっている。
その一つに、アーティストを空間に招き入れ、滞在しながら制作を行う、アーティスト・イン・レジデンスがあるが、その第2弾として、アーティスト、和泉侃の展覧会「匂いの焦点」がスタートする。
「感覚の蘇生」をテーマに、匂いを通じて、意識のなかに眠るさまざまな感性を呼び起こすことに挑戦してきた和泉。本展では匂いの捉え方と物質の輪郭を探究。淡路島のアトリエ「胚」でつくった新作〈0〉とともに、3つのインスタレーションを発表する。
日常のすぐ身近なところに存在しながらも、目には見えないためあいまいに感じている匂いを、展示を通して新たに体感として置換。物質から具体的な要素を抽出していくことで、輪郭をはっきりと浮かび上がらせながら、鑑賞者の感性を刺激していく。
インスタレーションのほか、会場では和泉がこれまでに手がけたオリジナルプロダクトや、デザイン監修をおこなったスキンケアアイテムやルームフレグランスなども販売。また、和泉が関わる「D.W.M.」「RauB」「SOJYU」「sunao」の4ブランドから19アイテムが体験できる特別宿泊プランも用意されている。