BaBaBa Exhibition Vol.2
もるめたも展─あそびとへんしんの研究所

2021年7月22日(木・祝)~8月9日(月・祝) 
11:00~18:00 月曜休(祝日はのぞく) 入場無料
会場=BaBaBa(東京都新宿区下落合2-5-15 1F)

精神科医、キュレーター、エデュケーターなど、アート、教育、医療、福祉のプロが分野を横断し、共同で豊かな想像力を育む〈あそび〉と〈まなび〉を開発していく「リフレーム・ラボ」。

最新プロジェクト『もるめたも』は、「ミエナイモノとあそぶ」をテーマにひらのりょうが手がけた絵本と、OLAibiの音楽とコムアイのナレーションを加えた同アニメーション作品にまとめたものだ。

今回『もるめたも』の発表を記念し、BaBaBaで特別展を開催。作品の世界観を楽しむ体感型インスタレーションのほか、物語のなかに隠されているもう一つのテーマ「変身」を、さまざまなあそびを通じて子どもたちが自ら発見し、想像の種を膨らませていく楽しい仕掛けも多数用意している。

会場では随時、Reframe Labの専門スタッフがともに〈あそび〉と〈まなび〉をサポート。さらには大人向けのトークイベントも開催される予定だ。

TALK.1「あそびを読み解く1. 秩序と破綻、ファンタジー」

728() 20:3022:00
ゲスト
会田大也(YCAM/ミュージアムエデュケーター)
新井陽子(公認心理師)

https://www.youtube.com/channel/UCA-cgo5bff5lr3uuuHdmHcA

TALK.2 「あそびを読み解く2 子どものための神話とメタモルフォーゼ」

81() 18:0020:00

ゲスト
ひらのりょう(アーティスト)
石倉敏明(人類学者)
OLAibi(ミュージシャン)
KOM_I (アーティスト、水曜日のカンパネラ)

https://www.youtube.com/channel/UCA-cgo5bff5lr3uuuHdmHcA

テキスタイルデザイナー、
星佐和子の世界を身近に感じる。

ヘルシンキを拠点に活躍するテキスタイルデザイナー、星佐和子が自身のオリジナルブランドをスタートした。

細密なタッチと落ち着いた色調で、美しい世界を描き出すテキスタイルデザイナーの星佐和子。Marimekko、Samuji、UNIQLOなど、国内外の著名ブランドとのコラボレーションワークでも知られる人気のアーティストだが、この度、自身初となるオリジナルライフスタイルブランド「arkietti(アルキエッティ)」を立ち上げた。

arkiettiは、フィンランド語の「arkielämä(日常)」と「yrtti(ハーブ)」を掛け合わせた造語で、普段の暮らしのなかに、いつもとは少し違う、特別なエッセンスを漂わせたいという思いが込められている。ハンドミラー、ハンカチやマスキングテープ、ポストカードなど、アイテムはどれも身近で、すぐに使いたくなるものばかり。

家族とともに暮らすフィンランドの雄大な自然、印象に残った景色の記憶をたぐり寄せ、独自のタッチで写し取っていく星佐和子の作品は、ひそやかに、そっと心に寄り添い、日常を彩ってくれる。

BaBaBa TALK #02
with門脇耕三

Dear Takamizawa Houseの展示中に、会場で行ったオンライントークライブ「BaBaBa Channel」。第2回に登壇したのは、建築家でVBA2020日本館展示キュレーターを務めた門脇耕三だ。解体・再構築を通じて新たな建築の可能性を見出したVBA2020の展示だが、現代の建築はいまだに進化し続けているのだろうか?

VBA2020、そしてDear Takamizawa Houseを通じて見えてくる、建築の本質的な価値を話し合った。

  • Photo: Taro Ota

BaBaBa TALK #01 
with長坂 常

Dear Takamizawa Houseの展示中に、会場で行ったオンライントークライブ「BaBaBa Channel」。その一回目に登壇したのは、建築家の長坂常。働き方改革から、コロナ禍のリモートワークを経て、これからオフィスのニーズはどのようになっていくのか? 

過去に設計事務所を複合のコラボレーターとシェアし、「happa」として運営していた長坂常と、働くための空間の限界と可能性について聞いた。

  • Photo: Taro Ota

参加型アートプロジェクト、「つくりかけラボ」の
第4弾を、飯川雄大が担当。

昨年末から千葉市立美術館がスタートし、来場者も制作に参加・体験することで話題を呼んでいる「つくりかけラボ」。その第4弾を、アーティスト飯川雄大が担当する。

アーティストの滞在制作を含む千葉市美術館のアートプログラム「つくりかけラボ」。本プロジェクトが目指しているのは、来場者が作家とともに制作したり、連続してワークショップを体験できること。美術が特別な才能を持つ人に許された存在ではなく、誰しもが感覚を共有し、楽しめるものであることを理解できるとして、話題を呼んでいる。

昨年の開始から、これまで遠藤幹子、志村信裕、武藤亜希子といった気鋭の美術家が参加したこの実験的なプロジェクト。その第4弾を、兵庫県出身のアーティスト、飯川雄大が担当する。

飯川は、日常の中で見落とされてきた普遍的な事象、そこに投げかけられる人間のあいまいで不確かな意識にフォーカス。鑑賞者が自身の身体を通じて、その不思議な現象に自ら気づく、ユーモアに満ちたインスタレーションなどを手がけ、「六本木クロッシング」(2019年)やヨコハマトリエンナーレ(2020年)といった大規模展覧会にも参加してきた。

今回の「つくりかけラボ04」では、天敵から身を守るために身の回りのものを隠れ蓑にしていく蟹「デコレータークラブ」に発想を得たプランを展開。蟹がプロテクターとして装備するものを人はデコレーションと捉えるように、一方向のコミュニケーションから起こる感覚のズレ、そこから生まれる新しい感覚を来場者とともに考えてゆく。

《デコレータークラブ ―ピンクの猫の小林さん》2020年|木材、蛍光塗料|サイズ可変|
並木クリニック中庭の展示風景(2020)、横浜市金沢区並木団地|撮影: 阪中隆文
《デコレータークラブ 配置・調整・周遊》2020年|木材、塗料|サイズ可変|
ヨコハマトリエンナーレ2020、プロット48の展示風景|撮影: 飯川雄大
《デコレータークラブ ―ベリーヘビーバッグ》2010年|バッグ6点、ビデオ(サウンド、50秒)|
ヨコハマトリエンナーレ2020、プロット48の展示風景|撮影: 大塚敬太 写真提供:横浜トリエンナーレ組織委員会

  • Text: Hisashi Ikai

デコレータークラブ — 0人もしくは1人以上の観客に向けて

会期:2021714()103()

休館日:82()96()

開館時間 10001800(金土は~20:00)

入場料:無料

会場 千葉市美術館4階 子どもアトリエ

千葉市中央区中央3-10-8

TEL043-221-2311

https://www.ccma-net.jp/exhibitions/lab/21-7-14-10-3/

すべての本質は、土に還る。
「MINO SOIL」展リポート。

岐阜県美濃地方に伝わる陶磁産業の価値を再発見するために開催されたMINO SOILの展覧会「ARCHAEOLOGY OF MINO」。スタジオ・ムンバイがインスタレーションを手がけた会場には、さまざまな表情を見せる土の塊がいくつも並ぶ。

床に等間隔に置かれた一辺が15センチほどのキューブは、採取した原土のまま乾燥・焼成したもので、その一部にはリサイクル土も混合している。対を成す白と黒のオブジェは、なんと廃業した原料メーカーのタンクのなかで20年間放置されていた粘土の塊を焼き上げたものだとか。また、会場奥には、6000万年前にできた風化花崗岩「藻珪(ソーケー)」を小高く盛った土の山も見える。

さらに、原土を採掘する鉱山をダイナミックなランドスケープのように捉えた高野ユリカの写真作品と、録音家、藤口諒太が録音、編集した美濃の鉱山に響くサウンドが、会場に独自の空気感を作り出していく。

本展は、これまでに建築家やデザイナーに向けたタイルのオーダーメイドプロジェクト「TAJIMI CUSTOM TILES」や窯元に残るデッドストックタイルなどを一つから購入できるECストア「TILE KIOSK」を展開してきたプロジェクトチームが手がけたもの。

会場を出たときに頭を巡っていたのは「モノはどこからきて、どこに向かうのか」という根源的な疑問だった。我々が「美濃焼」という言葉から想像するのは、タイルや陶磁器といった身近なプロダクトだが、それらすべてが会場内に陳列されている自然土から派生したものであり、そもそも素材にも強烈な魅力が存在している。美濃の焼き物の本質的な魅力とは、生活を彩る美しいかたちを作り出す以前に、これら素材の個性を作家や職人、メーカーがいかに読み解き、それぞれの適性を巧みに導き出す技にあるように思われた。

日本を代表する陶磁器産業の聖地が現状に甘んじることなく、こうした実験的なプロジェクトを通じて、次世代につながる新たなフェーズに歩みを進めている様子は頼もしく感じる。

  • Text & Photo: Hisashi Ikai

時間の流れを写す
備前のうつわ「NEU」。

岡山県備前の窯元から新しいうつわ「NEU(ヌー)」が誕生した。日本六古窯の一つである備前焼は、その素朴な佇まいから多くの茶人、趣味人にも愛され、日本を代表する工芸美の極みとしての歴史を重ねてきた土地だ。NEUは、備前が受け継いできた魅力を、新しい視点から見つめ直したうつわだ。

NEUが目指したのは、人の作法にひっそりと寄り添うかたち。使うシーン、暮らしのスタイル、年代といった別に左右されない、限りなくニュートラルな存在を目指している。さらに注力したのが、色の開発だ。刻々と移り行く空を眺めながら、朝日がのぼる直前や夜のとばりが降りる瞬間の、薄い青に微妙な赤や白、緑といった色が混じり合うなんとも言い表せない色を再現している。

技術的にも、備前焼の伝統をさらに前に進めようと、伝統的な田土(ひよせ)と山土に、同じく備前で採取される三石ろう石を混合。柔らかく、通気性に優れた田土の特徴を活かしつつ、ろう石との調合によりうつわの堅牢性をさらに高めているという。また、備前焼には珍しい釉薬を使いつつ、釉がけを器の半分に抑えることで従来の土の手触りの良さを残した。

プレートやカップに加え、小ぶりなポットも同様に開発。生活のなかに自由に存在する備前の新しいかたちとして注目される。

https://neu-jp.net

  • Text: Hisashi Ikai
  • Photo: Masako Nakagawa

ファンダー越しに見る都市と建築。
Interview with Jan Vranovský

BaBaBaで開催中の「Dear Takamizawa House」にて、写真作品を展示しているヤン·ヴラノフセキ。チェコから日本に移り住み7年。彼はどのような感覚で日本の都市や建築を見続けてきたのだろう。

ハイパー・メタボライズなニッポン。

1986年にチェコで生まれ、2014年から東京に移住し、グラフィックデザイン、建築、写真と、領域を横断したクリエーションを行ってきたヤン・ブラノフセキ。日本の近·現代建築を愛し、憧れをもって来日した彼だが、現実東京の街は想像したものと大きく異なっていた。

「時代、様式に統一感がなくいろんなものが入り混じっているし、時間をかけて丁寧につくられたもののすぐ脇にプレハブのような簡易的につくられたものが並んだりと、短い周期で激しい変化を繰り返している。常態が存在しない街の様子には、逆に現実的な魅力があると思ったんです」

生まれ故郷の首都、プラハに代表されるように、中世から近代にかけて形成された旧市街を残す都市の美しさを認める一方で、それらはあまりにも“静的”なため、停滞しているように見えたり、人間味がないようにも感じると語る。

「日本の街は美しいと問われると、正直答えに困りますが、僕にとってはとにかくエネルギーに満ち溢れていて、まるで生命体のように躍動しているハイパー・メタボライズな場所。だからこそ僕はここにいて、クリエーションを続けてるんでしょう」

ヤン・ヴラノブセキ

VBA2020日本館展示チームの依頼を受け、撮影のために高見澤邸に足を踏み入れた瞬間、ヴラノフセキは、普通の日本家屋の内部にも都市と同じような生命の存在があることを確信した。

「世代をまたいで移り住み、幾度となく改修を重ねるなかで、さまざまな要素が一つの空間のなかに堆積していった。ファインダー越しに家のディテールを覗くたびに、その輪郭が浮き上がってくる。写真というある瞬間を捉えるメディアのなかに、時間の流れが自然と映り込むとても貴重な体験でした」

ヤン・ヴラノフセキの作品が、建築写真でありながら不思議な情感をもったように感じるのは、そこにこの世界に生きる人々の軌跡が映り込んでいるからなのかもしれない。

  • Text: Hisashi Ikai
  • Photo: Jan Vranovský

ヤン・ヴラノブセキ[Jan Vranovský]

1986年チェコ生まれ。プラハのカレル大学で日本学、リベレツ工科大学で建築学を学んだ後、2014年に来日。東京大学大学院建築学専攻で小渕祐介研究室に所属する。2019年自身のスタジオ、VVAAを設立。

https://www.vvaa-studio.com

スタジオ・ムンバイと
土を見つめ、土を考える。

日本最大の陶磁器の産地である美濃の原点、土の可能性を探るべく、岐阜県多治見市の2社が建築家、ビジョイ・ジェインとともに、プロジェクトを始動。皮切りに東京で企画展を開催する。

全国各地に日本はさまざまな焼き物の産地があるが、なかでも岐阜県の美濃エリアは、実に自由な発想に満ちた表現の焼き物文化が存在する。日用の食器や美術工芸品はもちろん、タイルなどの建材や工業用フィルターなど、実に幅広い。

しかし、産業が発展するほど、次第に産地の現状や素材の魅力からも我々の意識は遠のいているようにも思う。

岐阜県多治見市にある、タイルの開発を行う「エクシィズ」と、食器の専門商社〈井澤コーポレーション〉は、焼き物の原点である土そのものを改めて見つめ直し、未来へのビジョンを探るべく、プロジェクト「MINO SOIL」を立ち上げた。

マテリアルの可能性の追求にはじまり、今後は美濃にあるさまざまな技術の紹介、プロダクトの展開を図っていく予定だが、その第一弾として、世界的に活躍する建築家、ビジョイ・ジェイン(スタジオ・ムンバイ)とともに、企画展《Archaeology of Mino》を開催する。

会場では、スタジオ・ムンバイが手がけるインスタレーションを中心に、多様な種類の美濃の土を用いたプリミティブなオブジェ、さらにフォトグラファー、高野ユリカが捉えた鉱山の写真作品を展示する

金属加工・河合広大の仕事。

東京·江東区佐賀にあるショップ「ten(テン)」。鉄の扉を開けると、真っ白な吹き抜け空間に、大胆な螺旋状のスロープが伸びる。この空間を手掛けた河合広大は、なぜ金属加工を極めるのか。彼のもとを訪ねた。

朗らかさをつくる、柔軟な姿勢。

近年東京にオープンした店舗をチェックすると、内装メンバーに「河合広大」という名前をよく聞く。河合が手掛けるのは、鉄やステンレス、真鍮といった金属を板材から加工し、什器や家具から、ファサードの門扉をつくること。金属と聞くと重厚で、マッシブな印象を受けるが、河合の作品は非常に軽やかで、洗練されている。

「金属は、木や樹脂と比較すれば、素材そのものに強度があるので、細く繊細な表現をするのにも適しているんです。また、同じフォルムのものでも、鉄と真鍮では、まったく異なる印象を与えられるように、素材ごとの個性と表現の振り幅があるのが特徴」

従来、内装に携わる金属加工職人は細分化が激しく、扉、ハンドル、重機、階段など、用途によって役割が分担していた。時代の流れとともに自分でできるありとあらゆることをやってきたという河合は、「キャリアもまだまだですし、各分野のプロには到底かなわない」と謙遜しながらも、自由な発想力とチャレンジ精神で、独自の道を切り開いてきた。

©Ko Tsuchiya

現在に至るまでにもいくつもの紆余曲折があったと話す河合。大学時代まではラクロスの選手として活躍。日本代表に選ばれるほどの実力の持ち主だった。しかし、卒業時には、リーマンショックの煽りで内定切りに。一旦は不動産会社で営業職に就くも、経営統合による環境の変化から離職。家族が経営していた金属加工の会社で仕事を始めた。

「歳が倍以上離れた職人の人たちと、朝から晩まで機械と向き合う毎日。普通ならばしんどいと思うのかもしれませんが、僕にはとても新鮮に感じられたんです。一見単純そうな作業も、自分で考えたり、実験を繰り返すことで新しい可能性が生まれ、ものづくりにどんどん奥行きが出てくるんです」

4年半ほどして独立。時を同じくして、airbnbの内装を手掛ける町田龍馬との協働がはじまり、仕事の幅も広がった。さらなる大きな変化が訪れたのは、江東区佐賀に自身の工房と妻が営むセレクトショップを融合させたスペース「10(テン)」をオープンさせたことだ。

「単に依頼されたことに答えるだけでなく、自分の思想や感覚を持てる技術とともに表現できる場所がほしかった。ここをオープンするまでは、表現しがたい不安が心のどこかにあったのですが、ようやく自覚をもって仕事と向き合っているような気がします」

施工の現場は、プロトタイプなどをつくらない一発勝負の世界。だからこそデザイナーや建築家、そして施主とのコミュニケーションが重要となる。

「互いが認識を共有し、納得したうえで前に進む。合理性や生産性を優先してせかせか動くのではなく、柔軟な姿勢でつくる時間を楽しみたい。そうすれば、創った空間も穏やかで朗らかな空気が漂ってくると思うんです」

tenを訪れると、思わず足を止めて時間を過ごしてしまう。その背景には、このような河合の空間づくりに対する温かい思いが込められているのかもしれない。

  • Text: Hisashi Ikai

河合広大[かわいこうだい]

1986年、金物問屋を経営する父とピアノ教師の母のもと、東京都両国に生まれる。幼少期に埼玉に移住し、サッカーとバイオリンに打ち込む。独協大学入学後、ラクロス部に入部。U20日本代表にも選ばれる。不動産会社を経て、金属加工を開始。2015年独立。2019年、自身のショールームと妻が営むセレクトショップが融合したスペース「ten」を隅田大橋のほとりにオープン。そのほかに、新木場のショップ〈CASICA〉や目黒のレストラン〈kabi〉などの話題店舗のアイワーンワークを多数手がけている。

https://www.10-tokyo.com/blank-3

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