EMARF でつくる新しい生業 - 自分を解放するものづくり

高田馬場にあるケーススタディスタジオ BaBaBa では、10 月 9 日(土)~ 10 月 23 日(土)の期間、木製ものづくりのクラウドサービス EMARF(エマーフ)のエキシビション「EMARF でつくる新しい生業 – 自分を解放するものづくり」を開催します。
EMARF は、職人にしかできなかった家具や建築のデザイン・部品加工などを、すべての設計者・デザイナー・DIY ユーザーに解放。既成部品の組み合わせではなく、ニーズや好みに合わせた思い通りのデザインを、1点からでも、大量にでも、ボタン 1 つで素早く、安く、カタチにしていく画期的なサービスです。
VUILD 株式会社が開発したデジタルファブリケーションを用いたクラウドプレカットサービス「EMARF」は、木製ものづくりのデザインから、パーツ加工までの工程を、全てオンラインで完結できます。CAD データを準備し、WEB でオンライン入稿すると、まるでプリントアウトするようにデジタル加工機で出力。後は組み立てるだけの状態でお手元にお届けします。

本展覧会は、『EMARF でつくる新しい生業 - 自分を解放するものづくり -』と題して、これまで EMARF を活用した様々なシーンを集め、デジタル時代の新しい生業の動向に迫ります。
ここで起きていることは、与えられた仕事をこなす製作ではなく、自身の内から湧き出る内発的動機に基づく能動的な製作です。仕事・趣味の枠組みにとらわれない、より生活に近い生業稼業が行われ始めています。「いきる」と「つくる」を繋げるために、すべての人々を「作り手」にしたい。
私たち VUILD の思いが、いま様々なシーンで芽吹きはじめています。
本展示が、「自分のつくりたいを解放する」きっかけになれば幸いです。

– VUILD 株式会社

2021 年現在までの間に、家具やプロダクト製作シーンは勿論、アート製作、建築内装など幅広いシーンで利用され始めています。本展では、これまで EMARF を使って家具 / プロダクト / 空間など、様々なシーンで活用された方の実作品やパネルを通じて、デジタル時代のメイカーたちの動向に迫ります。
会期中 VUILD が所有する小型の CNC 加工機 (ShopBot) を BaBaBa に持ち込み、実際の制作風景がご覧いただけるラボが出現。また、その場で来場者の方がデザインを作れる制作体験スペースも準備しております。ぜひこの機会にEMARFのものづくりをBaBaBaでご体験ください。





– SHOWCASE



「EMARF でつくる新しい生業 - 自分を解放するものづくり」

会期=2021 年 10 月 9 日(土)~ 10 月 23 日(土)
会場=BaBaBa 東京都新宿区下落合 2-5-15-1F
電話=03-6363-6803
時間=12:00-19:00 (* 土日祝 11:00-18:00)
定休日=月曜日
入場=無料
共催=VUILD 株式会社 / BaBaBa

https://bababa.jp

Reframe Labが目指すもの。

BaBaBaで開催中の「もるめたも展─あそびとへんしんの研究所」を企画したReframe Lab。アートを軸に教育の可能性を引き出そうとさまざまに取り組む彼らが考えていることとは。

いまいちど、子どもの目の前に広がる世界を大きく捉え、自由な想像力がいかに人の豊かさや未来の可能性を広げるか。そんな思いを胸に活動を続けているのがReframe Labだ。

誰でも子どもの頃はたくさんの夢を思い描き、世界を希望と可能性に満ちたものだと信じていた。しかし、成長とともにいつのまにか社会の枠組みに囚われ、がまんをしたり、制限を感じたりしながら生きている。

Reframe Labは、精神科医、キュレーター、教育関係者など、各分野の専門家たちが集まり、アートを軸とした展覧会やワークショップ、勉強会などを開催しているのだが、なぜアートをフックにするのか。

「アーティストの目[mé]が、アートは『人間の感受性を肯定する装置』だと説明していたことが、強く印象に残っています。定義しきれない無限の広がりと可能性を持つアートに触れると、人が持つすべての感覚や感情が作用しはじめ、それぞれに異なる反応を示すもの。固定観念に縛られる以前の、ありのままの自分が現れるといっても良いかもしれません」

児童向けのプログラムが活動の中心だが、年代にかかわらず大人もいまの世界を捉え直せるような内容を考慮。息苦しさに満ち、価値観が凝り固まったってしまった社会に一石を投じようとしているとReframe Labの中心メンバーは語る。

方法論はシンプルで、視覚以外にも聴覚や触覚など、持てる五感を最大に活用し、自分の知覚センサーを解放する仕組みを考えていく。例えばそこでは「うるさくて静か」「長くて短い」など、両義的な意味を持つ感覚が生まれたり、一つの要素が次々に変化を繰り返し、体験する人や環境、時間によって異なる感覚・感情が続々と現れ、新しい発見と出合う。

Reframe Labが目指すところに、ゴールはない。あそびに夢中になって日が暮れていることにすら気づかないように、余計なものに邪魔されずにただ好きなものに没頭し、自ら深くに入り込んでいく感覚を育てたい。好きでい続けられることこそが、Reframe Labが考える「あそび」と「まなび」の意義であり、人の自然な姿なのだ。

  • Text: Hisashi Ikai

BaBaBa Exhibition Vol.2
もるめたも展─あそびとへんしんの研究所

2021年7月22日(木・祝)~8月9日(月・祝) 
11:00~18:00 月曜休(祝日はのぞく) 入場無料
会場=BaBaBa(東京都新宿区下落合2-5-15 1F)

精神科医、キュレーター、エデュケーターなど、アート、教育、医療、福祉のプロが分野を横断し、共同で豊かな想像力を育む〈あそび〉と〈まなび〉を開発していく「リフレーム・ラボ」。

最新プロジェクト『もるめたも』は、「ミエナイモノとあそぶ」をテーマにひらのりょうが手がけた絵本と、OLAibiの音楽とコムアイのナレーションを加えた同アニメーション作品にまとめたものだ。

今回『もるめたも』の発表を記念し、BaBaBaで特別展を開催。作品の世界観を楽しむ体感型インスタレーションのほか、物語のなかに隠されているもう一つのテーマ「変身」を、さまざまなあそびを通じて子どもたちが自ら発見し、想像の種を膨らませていく楽しい仕掛けも多数用意している。

会場では随時、Reframe Labの専門スタッフがともに〈あそび〉と〈まなび〉をサポート。さらには大人向けのトークイベントも開催される予定だ。

TALK.1「あそびを読み解く1. 秩序と破綻、ファンタジー」

728() 20:3022:00
ゲスト
会田大也(YCAM/ミュージアムエデュケーター)
新井陽子(公認心理師)

https://www.youtube.com/channel/UCA-cgo5bff5lr3uuuHdmHcA

TALK.2 「あそびを読み解く2 子どものための神話とメタモルフォーゼ」

81() 18:0020:00

ゲスト
ひらのりょう(アーティスト)
石倉敏明(人類学者)
OLAibi(ミュージシャン)
KOM_I (アーティスト、水曜日のカンパネラ)

https://www.youtube.com/channel/UCA-cgo5bff5lr3uuuHdmHcA

BaBaBa TALK #02
with門脇耕三

Dear Takamizawa Houseの展示中に、会場で行ったオンライントークライブ「BaBaBa Channel」。第2回に登壇したのは、建築家でVBA2020日本館展示キュレーターを務めた門脇耕三だ。解体・再構築を通じて新たな建築の可能性を見出したVBA2020の展示だが、現代の建築はいまだに進化し続けているのだろうか?

VBA2020、そしてDear Takamizawa Houseを通じて見えてくる、建築の本質的な価値を話し合った。

  • Photo: Taro Ota

BaBaBa TALK #01 
with長坂 常

Dear Takamizawa Houseの展示中に、会場で行ったオンライントークライブ「BaBaBa Channel」。その一回目に登壇したのは、建築家の長坂常。働き方改革から、コロナ禍のリモートワークを経て、これからオフィスのニーズはどのようになっていくのか? 

過去に設計事務所を複合のコラボレーターとシェアし、「happa」として運営していた長坂常と、働くための空間の限界と可能性について聞いた。

  • Photo: Taro Ota

ファンダー越しに見る都市と建築。
Interview with Jan Vranovský

BaBaBaで開催中の「Dear Takamizawa House」にて、写真作品を展示しているヤン·ヴラノフセキ。チェコから日本に移り住み7年。彼はどのような感覚で日本の都市や建築を見続けてきたのだろう。

ハイパー・メタボライズなニッポン。

1986年にチェコで生まれ、2014年から東京に移住し、グラフィックデザイン、建築、写真と、領域を横断したクリエーションを行ってきたヤン・ブラノフセキ。日本の近·現代建築を愛し、憧れをもって来日した彼だが、現実東京の街は想像したものと大きく異なっていた。

「時代、様式に統一感がなくいろんなものが入り混じっているし、時間をかけて丁寧につくられたもののすぐ脇にプレハブのような簡易的につくられたものが並んだりと、短い周期で激しい変化を繰り返している。常態が存在しない街の様子には、逆に現実的な魅力があると思ったんです」

生まれ故郷の首都、プラハに代表されるように、中世から近代にかけて形成された旧市街を残す都市の美しさを認める一方で、それらはあまりにも“静的”なため、停滞しているように見えたり、人間味がないようにも感じると語る。

「日本の街は美しいと問われると、正直答えに困りますが、僕にとってはとにかくエネルギーに満ち溢れていて、まるで生命体のように躍動しているハイパー・メタボライズな場所。だからこそ僕はここにいて、クリエーションを続けてるんでしょう」

ヤン・ヴラノブセキ

VBA2020日本館展示チームの依頼を受け、撮影のために高見澤邸に足を踏み入れた瞬間、ヴラノフセキは、普通の日本家屋の内部にも都市と同じような生命の存在があることを確信した。

「世代をまたいで移り住み、幾度となく改修を重ねるなかで、さまざまな要素が一つの空間のなかに堆積していった。ファインダー越しに家のディテールを覗くたびに、その輪郭が浮き上がってくる。写真というある瞬間を捉えるメディアのなかに、時間の流れが自然と映り込むとても貴重な体験でした」

ヤン・ヴラノフセキの作品が、建築写真でありながら不思議な情感をもったように感じるのは、そこにこの世界に生きる人々の軌跡が映り込んでいるからなのかもしれない。

  • Text: Hisashi Ikai
  • Photo: Jan Vranovský

ヤン・ヴラノブセキ[Jan Vranovský]

1986年チェコ生まれ。プラハのカレル大学で日本学、リベレツ工科大学で建築学を学んだ後、2014年に来日。東京大学大学院建築学専攻で小渕祐介研究室に所属する。2019年自身のスタジオ、VVAAを設立。

https://www.vvaa-studio.com

Exhibition Vol.01
Dear Takamizawa House

2021年5月22日からスタートする第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展(以下VBA)。門脇耕三がキュレーションを務めるVBA日本館展示(主催:国際交流基金)では、高度なデータ解析と日本の現代建築&施工技術により、解体された木造民家から新たな建築の可能性を探り出している。本展「Dear Takamizawa House」では、そのモチーフとなった高見澤邸を2つのフェーズで独自の視点から切り取っていく。

Phase 01.
Eyes of Jan Vranovský

VBA日本館展示チームに同行する、高見澤邸が解体されていく様子をカメラに収めていった写真家/建築家のヤン・ヴラノブセキ。役割を終えた普通の日本家屋に、ヴラノブセキはなにものにも変えがたい美しさと情感を感じながら、シャッターを切っていた。3代の家族が暮らした日常の名残りが切り取られた、ヤン・ヴラノフブセキの写真には、建築プロジェクトの記録写真の領域を超えた、新たな美の世界が広がる。

Phase 02.
Models_Work in Progress

新型コロナの流行を受け、現地への渡航を取りやめた日本館チームは、日本館展示の施工監理を特別な形で遠隔から行うこととなった。施工担当のTANKが東京で仕上げていくモックアップを、オンラインでイタリアとつなぎ、現地担当者に指示。最新のネットワーキングがどこまで建築をサポートできるのかを同時に検証していく。BaBaBaの会場では、5名のVBA設計担当建築家(長坂常、岩瀬諒子、木内俊克、砂山太一、元木大輔)による提案を受け、TANKが製作したモックアップを展示。日本館の設営と同時進行するため、展示物は毎週追加されていく。

ヤン・ヴラノブセキ[Jan Vranovský]

1986年チェコ生まれ。プラハのカレル大学で日本学、リベレツ工科大学で建築学を学んだ後、2014年に来日。東京大学大学院建築学専攻で小渕祐介研究室に所属する。2019年自身のスタジオ、VVAAを設立。

https://www.vvaa-studio.com

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021日本館展示

「ふるまいの連鎖:エレメントの軌跡」と題し、無名の昭和住宅を解体。建材をイタリアに運び、ビエンナーレ会期中に遠隔でイタリアの職人に施工方法を伝達しながら、別の建物として建て替えるプロジェクト。参加建築家に、長坂常、岩瀬諒子、木内俊克、砂山太一、元木大輔。キュレーションを門脇耕三が務める。

www.vba2020.jp

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